相続人を捜索する際のアプローチ手法と段取り

目次

✅ 行政書士による相続人捜索の基本的なアプローチと段取り

① 受任・事情聴取(ヒアリング)

  • 依頼人(通常は遺言執行者、相続人、関係者など)から事情を聴取。
  • 被相続人の氏名、生年月日、本籍地、最終住所、死亡日時などを確認。
  • 既知の相続人がいれば、その情報も収集。

② 被相続人の戸籍調査

戸籍謄本の収集が相続人調査の核心です。

ステップ:

  1. 死亡時の戸籍(除籍・改製原戸籍)を取得
    → 本籍地の市区町村役場から取り寄せ。
  2. 出生まで遡って戸籍をたどる
    → 転籍がある場合は、その都度本籍地の役所に戸籍を請求。
    → 明治・大正・昭和初期まで遡ることもあります。
  3. 結婚・離婚・養子縁組などの履歴もチェック
    → 誰が法定相続人に該当するか確認するため。

📌 目的:被相続人の子、配偶者、親、兄弟姉妹など、相続権のある者を網羅的に特定する。


③ 相続関係説明図の作成

戸籍から得た情報を基に、家系図のように相続関係を図式化。

  • 誰が法定相続人であるか、順位と人数を明確にする。
  • 複雑な家系(再婚、認知、養子縁組など)の整理に重要。

④ 相続人の現在の所在調査

戸籍で相続人が判明しても、住所が不明な場合には以下の方法で調査します。

主な方法:

  • 住民票の取得(行政書士が職務上請求可能)
    • ただし、正当な職務目的があることが必要(例:相続手続に必要なため)。
  • 戸籍の附票の取得
    • 本籍地から移動した住所履歴が分かる。
  • 登記簿、電話帳、SNSなどの調査(民間調査手段)

📌 注意: 行政書士は探偵業務や違法な個人情報収集は行えません。正当な公的資料で調査を行います。


⑤ 相続人への連絡・通知

  • 書面や電話などで相続人に連絡。
  • 遺産分割協議への参加要請。
  • 必要に応じて、遺産内容や法的説明を行う。

⑥ 相続人が判明しない・行方不明な場合

  • 不在者財産管理人の選任(家庭裁判所に申立)
  • 失踪宣告の申立
  • 特別縁故者への財産分与(相続人がいない場合)

🔍 補足:行政書士の限界と連携

  • 行政書士は戸籍や住民票の職務上請求権がありますが、調停や裁判所提出書類の作成には制限があります。
  • 弁護士や司法書士と連携する場合もあります(例:法定相続情報一覧図の作成、登記申請など)。

✅ まとめ:行政書士の相続人調査段取り

ステップ内容
1依頼受任・事前ヒアリング
2戸籍の収集と出生までの遡り
3相続関係説明図の作成
4住民票・戸籍附票等で所在調査
5相続人への通知・連絡
6不明・不在の場合の法的対応(家庭裁判所申立など)

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